
How to Make (Sake)

物味遊山清酒初日の出ができるまで

玄米(酒造好適米、五百万石、祝等)「一部自社作付け米使用」
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精米(純米吟醸で55%)「45%削るということ」
一般的に精米歩合が低いほどすっきりした飲み口に。
日常食する、うるち米で95%程度。
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白米(余分なタンパク質や脂質を取り除くことで、
麹菌や酵母の発酵を管理しやすくする。)
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洗米(高度に精米された米は、割れやすく吸水速度が速い)

(厳冬の中、繊細な作業が必要)
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浸漬(米の重量に対して30%程度の吸水)

(秒単位で浸漬時間を計測し、理想の吸水率に管理)
(時間は水温や湿度、計測データを基に杜氏が決定する)
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水切り(水切り方法は蔵によって異なる)

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蒸し(生米のデンプン質に水と熱を加え、糖化しやすい状態に)
(米を炊くのではなく蒸すのは、外を硬く「ほぐしやすく、溶ける速度を調整しやすい」、
中を柔らかく「麹菌が中まで侵入しやすい」するため。
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蒸し米(掘り出された蒸し米は、蔵人の手によって冷却場所へ)

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放冷(布の上に蒸し米を広げ、所定の温度になるまで冷ます)

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製麹(せいきく)(蒸し米に麹菌を繁殖させ、米のデンプン質を糖分に変える)
「一麹、二もと、三造り」と言われ、日本酒造りにおいて最も重要な工程。

床もみ(麹菌を振りかけた蒸し米を揉み合わせ、均一にする)

(製麹は、繁殖が進みやすい35℃前後の麹室で行われる。温度や水分を調整しながら「手で
ほぐしたり、布をかけたり」、約48時間かけて「もちろん蔵人は寝ずの番」麹は造られる)
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麹(菌糸が米の内部まで深く食い込んでいるのが理想)
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酒母造り(米を発酵させるための酵母を培養する)

(麹、蒸し米、水をタンクに入れ天然の乳酸菌を取り込む「山廃仕込」)
(タンクに入れる前に、もと摺りという作業をするのが「山卸し」)
(最初から、麹、蒸し米、水、乳酸菌、酵母を同時に仕込むのが「速醸系」)
現在市販される日本酒の約90%が速醸系。

こまめに温度管理と櫂入れを行いながら、酵母を順調に増殖させる。
(乳酸菌が雑菌の繁殖を防ぎ、
酸性に強い酵母が糖分を分解して増殖し、アルコールを生成する)
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酒母(もと)(一般的に、生もと系「山廃、山卸し」は農醇な味わい、
速醸系は淡麗な風味になる傾向)
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仕込み(酒母に麹、蒸し米、水を更に加え、もろみを造る)

(確実に発酵させるために、三段仕込みという日本酒独自の方法が行われる)
(1日目で酒母の2倍の麹、蒸し米、水を加え「初添え」、
2日目はそのまま酵母の増殖を促す「踊り」。
3日目は添えの2倍の麹、、蒸し米、水を加え「仲添え」、
4日目は仲の2倍の麹、蒸し米、水を加える「留添え」)
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もろみ(一般的にもろみの温度が低いほど、ゆっくり発酵が進み綺麗な味わいになる)

留の後、約2週間〜1ヶ月かけてもろみは発酵する。
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アルコール添加(醸造アルコールを添加する日本酒
「初日の出原酒等」は、上槽する直前の段階で添加)
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上槽(もろみを搾って、原酒と酒粕に分ける)
(圧力が強い順に、自動圧搾機、槽、袋吊り)

(初日の出は基本、袋吊り。自然に滴り落ちる雫を集める、最も手間がかかる方法)

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原酒(搾りたての原酒は新酒とよばれ、瑞々しく華やかな香りが)

(搾りはじめから順に、あらばしり、中取り「中汲み」、
責め「後取り」と呼ばれ、それぞれ味わいが異なる)

(目の粗い布で上槽した「にごり酒」)
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おり引き(原酒をしばらく放置し、おりが沈殿してから上澄みを抜く)
(おり引きせず、タンクの下口から抽出し酒が「おりがらみ」)
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濾過(活性炭素を混ぜ、濾過機フィルターに通すことで細かいおりを取り除く)
(一般的に、活性炭素を使用せず、濾過機による濾過のみ行ったものを「無濾過」と呼ぶ)
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火入れ(酵素の働きを止め、安定した品質を保つため、低温「約60℃」加熱殺菌する)
(火入れをせず、フレッシュな香味を残した酒が「生酒」)
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貯蔵(通常、春に搾られた新酒は秋まで貯蔵し、酒質を落ち着かせる)
(一般的に15℃前後が貯蔵に最適とされる)
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調合(タンク毎の酒質を見極め、混ぜ合わせて調整する)
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割り水(香味のバランスとアルコール度数を調整するため、仕込み水を加える)
(15%程度に調整されることが多い)
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火入れ(2回目)(瓶詰め後に火入れするものを「瓶燗火入れ」と呼ぶ)
(2回目の火入れをしない酒が「生詰め酒」、2回目のみ火入れする酒が「生貯蔵酒」)
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瓶詰め、ラベル貼り

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消費者へ

武者英三著「日本酒事典」参照
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